チャートの活用

分析

ターミナルには、テクニカル分析 と オブジェクト が組み込まれています。これらをチャートに直接取り込み、より詳しく価格変動を予測できます。このときにテクニカル分析は自動的に取り込まれますが、オブジェクトは手動で添付します。したがってオブジェクトを使用するときは、これらを適切に描く必要があります。テクニカル分析のパラメータは手動で設定できます。テクニカル分析は、異なる通貨ペアまたは周期に対して、異なる設定を行うことができます。

テクニカル分析とオブジェクトによって、取引ポジションのオープンとクローズ、ストップ(S/L)及びリミット(T/P)の発注と変更が可能になります。さらに分析手段を活用すると、システマティックな取引オペレーションが可能となり、それによって人間の感情の影響を軽減できます。MetaQuotes Language 4(MQL 4)で記述されたカスタム分析 はテクニカル分析とともに、分析のために利用することができます。オブジェクトまたは同様のツールをMQL 4で記述することはできません。

グラフィカルオブジェクト
グラフィカルオブジェクトはチャートに手動で取り込まれるターミナルのオブジェクトです。分析に利用されるオブジェクトには、次の種類があります。

ライン等 : 価格チャートまたは罫線分析ツールチャートに取り込まれるライン群です。この中には、ライン、支持線/抵抗線やトレンドライン、及び、フィボナッチ、ギャン、アンドリューズのツールなどがあります。オブジェクトについての詳細は、それぞれのタイトルのセクションを参照して下さい。

図形 : 価格チャートのさまざまな部分にマークをつけるための図形(四角形、三角形、楕円形)です。

矢印 : チャートの中で最も重要な点を示すための矢印と記号です。

テキスト : チャートにコメントを挿入するためのテキストです。

テキストラベル : コメント挿入を目的とし、チャートウィンドウの座標に据え付けるテキストです。テキストラベルはチャートをスクロールしても移動しません。

すべてのオブジェクトは、「挿入」メニューと と 「オブジェクト」ツールバーにあります。リスト内のオブジェクトを選択してチャート(または罫線分析ツールウィンドウ)の中の1点を指定すれば、そのツールを表示できます。

注意: 2つ以上の点を指定する必要があるオブジェクトは、必要な点をすべて指定するまでチャートに表示されません。
オブジェクトは作成後に、移動や変更を行うことができます。これを実行するには、まずオブジェクトを選択します。「ターミナルの設定」の「オブジェクト設定」タブで、パラメータ「シングルクリックで選択する」を設定している場合、オブジェクトのどこかで1回左クリックします。この設定を行っていない場合は、ダブルクリックをします。四角形のマーカー(またはフレーム)が表示されたら、そのオブジェクトが選択されています。そのマーカーはオブジェクトの移動と、描画パラメータの変更に使用します。例えば フィボナッチファン の位置を変更するには、真中のマーカーをマウスの左ボタンでクリックし、移動します。先端のマーカー を移動すると、オブジェクトを描くパラメータも変更されます。ターミナルでは、各種オブジェクトのコピーを短時間で作成することができます。これを実行するには、オブジェクトを選択してCtrlキーを押しながら、そのマーカーで移動させます。

チャートに表示されたオブジェクトが、不要になった場合は、「チャート⇒オブジェクト一覧」メニューコマンドによって削除できます。さらにBackspaceキーを使うと、オブジェクトをまとめて消去できます。削除したオブジェクトは、あとで復元できます。これは、「チャート⇒オブジェクトの一覧⇒削除の取消」メニューコマンドを実行するか、Ctrl+Zホットキーを使います。

オブジェクトのプロパティ
どのオブジェクトにも固有のプロパティがあります。プロパティはオブジェクトによって異なります。オブジェクトのプロパティを管理するには、そのオブジェクトを選択して、コンテキストメニューコマンドの「プロパティ」、または「チャート⇒オブジェクトの一覧⇒表示中のオブジェクト」メニューコマンドを実行します。表示されたオブジェクトリストから変更したいオブジェクトを選んで「編集」をクリックします。複数のタブのあるオブジェクト名のウィンドウが表示されます。一般的なオブジェクトの設定は「全般」タブにあります。ここでは次の項目の設定ができます。

名前 : オブジェクトに対して自動的に設定される、1チャート内で固有なオブジェクト名です。この欄に別の名前を入力すれば、変更できます。このように名前を設定することで、オブジェクトを他の同じタイプのものから見分けやすくすることができます。

説明 : 同様に他の同じタイプのものから見分けやすくする上で役立つ、オブジェクトの説明/テキストです。さらに、「チャートプロパティ」の中で「オブジェクトの説明を表示」オプションを有効にすれば、これらの説明をチャートの中に表示することができます。

スタイル : オブジェクトラインのスタイルです。ラインの色、形、太さをここで選択することができます。

背景として表示 : オブジェクトをチャートの背景に描画します。このオプションを有効にすると、図形またはチャネルをカラー色で表示します(フィボナッチチャネルを除く)。

チャート内のオブジェクトコントロールポイントの座標は、「パラメータ」タブで変更できます。オブジェクトコントロールポイントの時間座標は、「時間」フィールドに入力し、罫線分析ツールチャートの縦軸に取った座標を「値」フィールドに入力します。オブジェクトは1から3の座標を設定できます。一部のオブジェクトについては、追加のオプションを「パラメータ」タブで設定します。

角度(度数) : オブジェクトの反時計回りの傾斜角度を指定します。

スケール : オブジェクトの縦軸の単位(pip)と横軸の単位(バー)の間の比率を設定します。チャートを描画するとき、通常は横軸(時間)1単位のピクセル数は、縦軸(価格)1単位のピクセル数と異なります。1対1のスケールにすると、同じ値となります。一部のオブジェクトでは、このパラメータを変更すると、比率が変化します。

矢印コード : オブジェクトのコードです。

半直線 : オブジェクトのトレンドラインを半直線として表示します。

アンカー : テキストラベルが固定される、チャートの端の一点です。

横軸方向の距離 : ウィンドウのアンカーの端と、テキストラベルの間の横方向の距離を、ピクセル単位で表します。

縦軸方向の距離 : ウィンドウのアンカーの端と、テキストラベルの間の縦方向の距離を、ピクセル単位で表します。

さまざまな周期についてのオブジェクト表示は、「表示」タブで変更できます。変更すると、オブジェクトは選択された周期についてのみ表示されるようになります。この機能は、ツールの設定を周期によって変えている場合に役立ちます。「フィボナッチレベル」タブが利用できるのは、フィボナッチツールの場合に限られます。ここではツールレベルのリストが表形式で表示されます。各レベルの値は、変更(値の変更)または削除(「削除」ボタンを使用)できます。新たなレベルを追加するには、「追加」ボタンをクリックします。このとき、「説明」フィールドに「(%$)」と入力すると、このレベルに対応する価格の数値がチャートに表示されます。「デフォルト」ボタンをクリックすると、最初の値にリセットします。タブの下部にある「スタイル」欄で、オブジェクトの色、形、太さを設定できます。

テクニカル分析

テクニカル分析(罫線分析ツール)は、有価証券の価格と数量の両方または一方を数学的に処理して得られる数値で、将来の価格変動の予測を目的としています。ポジションのオープンまたはクローズを、いつ、どのようにして行うかの決定を、テクニカル分析からのシグナルに基づいて行うことができます。その機能によって、テクニカル分析はトレンド系テクニカル分析とオシレーターの2つのグループに分類されます。トレンド分析は、値動きの方向性を探り、同時的に、または遅行して、反転時期を知るために役立ちます。オシレーターは先行して、または同時的に、反転時期を探るのに役立ちます。

テクニカル分析は、「ナビゲータ」ウィンドウからドラッグ&ドロップでチャートに取り込みます。 「挿入⇒罫線分析ツール」メニュー コマンド、または 「チャート」ツールバーボタンのクリックによって取り込みます。テクニカル分析は、固有の垂直方向のスケール(MACDなど)を持つ個別の罫線分析ツールウィンドウに描くことも、あるいは、直接価格チャート(移動平均線(Moving Average)など)に描くこともできます。しかも、テクニカル分析は価格データやその派生データ(中央値、ティピカル価格、加重終値)だけでなく、他のテクニカル分析に関しても描くことができます。例えば、Accelerator Oscilator(AO)の移動平均を描くことができ、この方法により、AOへのシグナルラインが追加されます。そのためには、まずAOテクニカル分析を描き、次にドラッグ&ドロップを使ってMoving AverageをAOに取り込み、「適用」オプションの設定項目である「前のテクニカル分析データ」オプションを選択します。「最初のテクニカル分析データ」オプションが選択されていると、Moving Averageが、AO以外の最初に取り込まれたテクニカル分析のデータに基づいて、描かれます。

分析パラメータの他に、テクニカル分析の設定で、さまざまな要素、線の濃淡、使用される記号のサイズを設定することができます。さらにさまざまな周期についての表示を、「表示選択」タブで変更可能です。このとき、テクニカル分析は選択した周期について表示されます。この機能は、周期によってツールの設定を変えている場合に役立ちます。同じタブの「データウィンドウに表示」オプションを利用すれば、「データウィンドウ」のテクニカル分析に関する情報を見ることができます。

すべての設定は変更可能です。これを行うには、「ナビゲータ⇒罫線分析ツール」で変更したいテクニカル分析を選択しダブルクリックするか、チャート上で表示され、変更したい分析ツールのライン上にマウスを置き、「プロパティ」コマンドを実行します。また、「チャート⇒表示中の罫線分析ツール」で変更したい分析ツールを選択し、「編集」ボタンを押しても同じ操作ができます。分析ツールを削除するには、「チャート⇒表示中の罫線分析ツール」で削除したい分析ツールを選択し、「削除」ボタンを押すか、チャート上で表示され、削除したい線分析ツールのライン上にマウスを置き右クリックをし、「分析ツールを削除」を実行します。また、「サブウィンド」コンテキストメニュ「サブウィンドウを削除」コマンドを実行すれば、テクニカル分析ウィンドウを消去できます。

注意 : カーソルをライン、記号、または分析ヒストグラムのカラムの端に移動すると、その点における分析の正確な値を決定することができます。

コメントを残す